子供とのお出かけが少しだけラクになる方法~座り込みへの対処③「見通しがもてない」

行動問題

子供とのお出かけ、座り込みが多くて気が重い…

そんな保護者の方に向けた記事です。

支援者や先生方にも、もしかしたらヒントになるかもしれません。

 

「見通し」はとっても大事

ASD(自閉スペクトラム症)のお子さんにとっては特にそうですが、

知的な発達がゆっくりなお子さん、ダウン症のお子さんなど

幅広いお子さんに有効なのが「見通しをもつこと」です。

我々が、いきなり目隠しをされて、

どこかわからない場所につれていかれるとしたら…すごく不安ですよね。

これから自分はどこへ行くのか?

何が自分を待っているのか?

そして、それはいつ終わるのか?

知ることができないと、心も安定しませんし、

がんばりどころがわからないので、がんばりようがありません。

 

大人から見たら、

「この状況なんだから、買い物に行くに決まってるでしょ」とか

「いつも行ってるお兄ちゃんのピアノの送り迎えだから平気だよね」とか

そういう場合であっても、

状況判断がまだまだ不得意なお子さんにとっては

情報が足りないのですね。

 

見通しはどうやってもたせるか

「視覚化」が一番です。

文字が読めるお子さんの場合は、ごくかんたんに、手近な紙に

1.くるまにのる

2.◯◯すーぱーでかいものをする

3.くるまにのる

4.くるまのなかでおやつをたべる

5.いえのまえにつく

6.くるまからおりる

などでも良いでしょう。

まだ文字が読めないお子さんの場合は、

写真で見せることができるとイメージがしやすいです。

よく行く場所は写真に撮っておくと便利ですね。

 

見通しを示す際のコツ

見通しを示す際にはコツがあります。

楽しみな活動を終盤に入れておく

上記のメモについていえば、

「くるまのなかでおやつをたべる」がそれに当たります。

買い物に付き合うことがストレスになる場合、

「これをがんばれば、あとで車の中でおやつが食べられる」

と思うことで、買い物を乗り切る原動力になるのです。

 

お子さんにとって難しい項目は細分化する

上記のメモでいうと、5.と6.がそれに当たります。

「いざ車に乗ると、今度はなかなか降りられない」お子さんを想定しました。

「5.いえにかえる」だけにしてしまうと、

車から降りるという行動になかなかふんぎりがつかないかもしれません。

「家の前に着いたら、車から降りるのですよ」ということを

明確に示しておくことで、車から降りやすくなる可能性があります。

他にも、スーパーに行くと「あれ買って、これも買って」となってしまうお子さんの場合は

「すきなものをひとつだけかごにいれる」

という項目をあえて作っておくとか、

店内を走り回ってしまうお子さんの場合は

「ママとてをつないであるく」という約束事を項目化して

入れておくなどすると、良いかもしれません。

 

このように、お子さんが引っかかりそうだな…とか、ちょっと苦手だな…と思うことは

細分化・項目化しておくと、スムーズにいく場合があります。

 

終わった項目は消していく

実際にお出かけに出たら、

終わった項目はその都度線を引くなどして

消していきましょう。

「あとこれくらい、行程が残っているんだ」と目で見てわかることで

さらに見通しがもちやすくなります。

 

再利用できるようにしておく

これらのスケジュールを、その都度いちいち作るのは大変です。

よく行くお出かけについては、再利用できるように作っておくと便利です。

よくあるのは、マグネット式、マジックテープ式のスケジュールですが、

これは作るのがけっこう大変ですし、道具もそれなりに必要。

そして、うまくいかなかった時の

「せっかく作ったのに…」

という精神的ダメージが大きいです。

まずは、裏紙に書いて提示。

好感触なら、今度は普通の紙に書いて、クリアファイルにはさみます。

終わった項目を消すときや、何か書き足したいときは、

クリアファイルの上からホワイトボードマーカーで書けば、

あとでティッシュや除菌シートなどで拭いて消し、再利用できます。

 

見通しをもって行動する習慣は、一生の財産になる

お出かけという、なんてことない日常の一コマも、

発達に凸凹のあるお子さんの場合はなかなか大変。

でも、ここで

見通しをもって行動する

ことを少しずつ身につけていくと、

学校でも、日常生活でも、大きな財産となります。

できそうなところから、少しずつ、始めてみましょう。

タイトルとURLをコピーしました