こんにちは、たま@tama_tetoteです。
これまで、発達に凸凹のあるお子さん、特性の強いお子さんの
について見てきました。
当初考えていたより、ずっとボリュームのあるシリーズになってしまいました…
最終回である今回は、そんなお子さんたちが
- 心を安定させ
- 自分の思いや事情を相手に伝えて、
- 自分も相手もガマンをしないで済むようにコミュニケーションがとれる
そんなことを可能にする「力」について、お伝えします。
最後にはプレゼントのお知らせもありますので、ぜひお読みください。
発達障害児の心を安定させる「かかわり力」
「かかわり力」は、私・たまの造語です。
これまでの現場経験でたくさんのお子さんを見てきた中で、
という力を整理し、体系化したものです。
大きく4つのパーツから成ります。
ひとつずつ解説していきますね。
「かかわり力」を構成する4つの力
その1.自己受容感
ここでは、
「ありのままの自分でOKなんだ」
「失敗しても、苦手なことがあってもいいんだ」
そう思える力、と定義します。
すべてのスキルのベースとなる、大切な部分です。
この「自己受容感」があると、
- どんな自分も肯定でき、安定して過ごせる
- 失敗しても立ち直れる
- ニガテなことにも挑戦してみようと思える
- 自分に余裕ができ、他人に優しくなれる
- 相手の話に耳を傾けることができる
…と、とてもここには書ききれないくらいのメリットがあります。
そんなこと言ったって…失敗ばかりで、とても自分にOKなんて出せないよ
わかります。
「自己肯定感が低い」
「自己受容感が感じられない」
発達に特性があってもなくても変わらない、現代人共通の悩みですよね。
お子さんに自己受容感を持たせてあげたいけれど、そもそもママ・パパ自身が自己受容感を感じられていない…
そんな方も多いのではないかと思います。
むしろ、「私って自分のことめっちゃ肯定してます!」「私、ありのままの自分が大好きです!」という人の方が少ないかもしれません…。
でも、ここがある程度しっかりしていないと、前に進めないんです。
そして、これまでがどんな人生でも、今がどんなにつらくても、「自己受容感」は身につけることができます。
私自身、自分の自己受容感が100%とは思っていません。
もともとは「ダメな自分も受け入れる」なんて、とてもとてもできませんでした。
いつも自分に自信がなかったし、少しでも失敗するとどーんと落ち込んだりもしていました。
でも、いろんなコーチングやカウンセリングを受けたり、本を読んだり、自分と対話する中で、だいぶ「どんな自分でも受け入れる」点が向上してきたと感じています。
そして、自己受容感がUPすることに比例して、人生の満足度も上がりました。
その2.聞く力
「聞く力」とは、すなわち耳からのインプット力。
話し手に注意を向け、集中力を持続させて、大事なことを落とさず聞き取る力です。
メモをとったり、質問したりするスキルも含まれます。
この「聞く力」があると、
- 自分に必要な情報を得ることができる
→安心して生活することができる
→授業の内容が聞き取れるようになる
→ことばの力もUPし、学力向上につながる
- 相手が伝えたいことを受け止めることができる
→コミュニケーションがうまくいく
→無用なトラブルが減る
つまり、「情報収集」と「人間関係づくり」の部分でメリットがあるのです。
それだけではありません。
注意力・集中力が身につくので、
- 勉強や仕事などのタスクに注意をむけることができる
- 集中して、やるべきことに取り組める
という面もあります。
発達に特性のあるお子さんの場合、視覚優位の子が圧倒的多数。
また、ワーキングメモリが少ないという特性もよく見られます。
それだけに、「耳から情報を得る」ことがニガテ、というケースがとても多いです。
もともとの特性なので、短期的に急成長…というのは難しいですが、トレーニングの中でちょっとしたコツをつかむことで、「ラクに聞ける」ようになるお子さんはたくさんいます。
その3.話す力
「話す力」は、音声言語のアウトプット力。
自分の伝えたいことを、相手に伝える力です。
この「話す力」があると、
- 自分の思いを表現できるようになる
→感情をためこむことが減り、かんしゃくや暴力に頼らなくてもよくなる
- 自分の現状や手伝ってほしいことを、周りの人に伝えられるようになる
→誤解されてしまうことが減る
→助けてもらえることが増える
「話す力」をUPさせることで、行動問題が減り、社会の中でいろんな人に助けてもらいながら生きるということが、しやすくなります。
「話す力」とは、単にぺらぺらと口から言葉が出てくるということではありません。
言葉や表現の引き出しがあることは大事ですが、それに加えて、声の大きさや姿勢が適切であることも必要。
そして一番大事なのは、「伝える気持ち」です。
こんなこと言ったってバカにされるだけ…
とか、
どうせ頼んだってムダだから、自分でなんとかする
という思考回路だと、「伝える気持ち」にはとてもなれませんよね。
話がもどってしまいますが…「自己受容感」がしっかりしていると、このあたりでのつまずきが減るんです。
その4.ソーシャルスキル
「ソーシャルスキル」という言葉、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
かんたんに言うと、社会の中で、相手と上手にかかわるスキルのこと。
相手といい関係をつくれる「ものの言い方」「ふるまい方」です。
自分の得意や苦手、特性を知る「自己理解」も含まれます。
このスキルが身についていることによって、
- 相手を怒らせたり、悲しませたりすることが減る
- トラブルを回避することができる
- 自分自身がつらくなったり、ストレスをためたりしなくなる
というメリットがあります。
この「ソーシャルスキル」をトレーニングする「SST(ソーシャルスキルトレーニング)」というものがあります。
たくさん本も出ており、多くの教育機関や施設で行われているものです。
でも、私はこの「SST」だけを実施することにはちょっと疑問を感じているのです。
なぜなら、これまでに説明した
- 自己受容感
という土台の上に
- 聞く力
- 話す力
の2本の柱がしっかり立っていないかぎり、どんなにソーシャルスキルを鍛えようとしても、結局は身につかないからです。
「有効な言い方は知っているけど、必要な場面で使えない」
「SSTの中では正解を言えるのに、日常の生活場面では真逆のふるまいをしてしまう」
なんてことが、起きてしまいます。
そうならないためにも、
- 自己受容感
- 聞く力
- 話す力
という基盤をしっかりと育て、その上に「ソーシャルスキル」を載せていく、というイメージでの指導が有効だと、私は考えています。
まとめ 「かかわり力」は、社会で生き抜くためのベースとなる力
ここまでをおさらいしましょう。
発達に特性のある子、発達障害の子の暴力・かんしゃくを防ぐためには、
を身につけさせることが大事。
かかわり力とは、
- 自己受容感
- 聞く力
- 話す力
- ソーシャルスキル
の4つの要素で成り立っている。
単にスキルだけを磨いても、なかなかコミュニケーションは向上しない。
4つの力をバランスよく、基盤から整えていくことが大事。
さいごに…読者プレゼントのお知らせ
4月にOPENする「おやこ発達支援相談室てとて」は、
発達障害のお子さんが、社会で生き抜く力をつけるオンライン塾。
「かかわり力」を伸ばすプログラムを受けることができます。
「かかわり力」について、
- ちょっと興味がある…
- うちの子にはこの「かかわり力」、どれくらいあるんだろう?
そう思われたあなた。
そう、この「かかわり力」には、タイプがあるんです。
我が子がどんな「かかわり力タイプ」なのか、知りたくありませんか?
そんな読者の方のために、
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