こんにちは、たま@tama_tetoteです。
うちの子、
自分の思い通りにならないことがあると、怒ったり大声で泣いたり…
かんしゃくがひんぱんで、困っています(泣)
怒り出すと家族を叩いたり、物を投げたり、壁を蹴ったりするの。
今はまだ小さいからなんとかなるけど、このまま大きくなってしまったらどうしよう?
そのうち家族の誰かがケガをしてしまうんじゃないかと心配です。
どこに「地雷」が埋まっているのかがわからなくて、ヒヤヒヤしちゃう。
家の中ならまだしも、外で暴れられると周りの目も気になって…
頭ごなしに叱っても効き目なし。
一体、どうすればいいの??
かんしゃくや暴力は、年齢を問わずよく聞かれるお悩みです。
実害が大きく、周りへの影響もあるので、親や支援者も、メンタルをゴリゴリ削られてしまいますよね。
このシリーズでは、かんしゃくや暴力の原因、対処法について解説していきます。
このシリーズを読むことで、
- なぜこのような行動が起きてしまうかがわかる
- かんしゃくや暴力を防止するためのヒントが得られる
- それでも起きてしまった場合の対処法がわかる
というメリットがあります。
ちょっと長くなりますが、ぜひシリーズを通して読んでいただけたらと思います。
最初に、
という、原因や背景についてみていきましょう。
かんしゃくや暴力はなぜ起きるの?考えられる特性上の原因
かんしゃくや暴力を起こしやすいお子さんは、発達に何らかの特性をもっていることがあります。
それを見きわめることが、解決につながります。
ではさっそく、その「特性」の面をひもといていきましょう。
かんしゃくや暴力の原因となる!?発達の特性6つ
1.衝動性が高い
考えられる原因のひとつめは、「衝動性」です。
ADHD(注意欠陥多動性障害)のお子さんに多いというイメージがありますが、「衝動性が高い=絶対にADHD」ということではありません。
他の診断名がついているお子さんでも、特に年齢が低いうちは、衝動性が高い場合があります。
「衝動性」とは、思いついたまま、深く考えることなく行動してしまうということ。
私達大人は、もし嫌なことがあっても、
「相手にも事情があったのかもしれない」
「ここで大声を出したら、周りがびっくりしてしまうぞ」
「先に手を出したほうが不利になるから、ここはじっとがまんしよう」
このように考えて自分を抑えることが多いですよね。
でも、衝動性が高いと、これらの思考をすっ飛ばして良くない行動に出てしまいます。
「カッとなってつい手が出る」ことが多いお子さんはこのような場合が多いのです。
2.言葉の発達が不十分
「悔しい」「イライラする」「しんどい」など、マイナスの感情をうまく表現できない。
また、
「やめてほしい」「この場を離れたい」「少し休みたい」
など、言葉で要求したり助けを求めたりすることがまだできない、という場合に、
- 暴れてしまう
- 手を出してしまう
- 大声で泣いたり騒いだりしてしまう
ということがよくあります。
行動で示すより他に方法がない、ともいえます。
言語面の発達がゆっくりなお子さん、
感情がいろいろ出てきている一方、ことばの発達が追いついていないお子さんに多いです。
3.聞く力が育っていない
「ちょっと待ってて」
「泣かないで、ママがついているよ」
「今はできないけど、あとでやってあげるね」
など、お子さんを落ち着かせようと大人が声をかけることがありますね。
聞く力が不十分な場合、このような大人の声かけが耳に入らないことがあります。
友達が状況を説明してもそれが聞き取れず、意地悪と勘違いして怒ってしまうなんてこともあります。
いずれにしても、「聞く力」が育っていないために正しい状況判断ができず、かんしゃくや暴力につながる…というケースです。
4.相手の表情や顔色を読んで行動するのが苦手
相手の気持ちを察することができなくて、安易にかんしゃくや暴力を選んでしまう。
そんなケースもあります。
- けんかして嫌な気持ちになったけど、友達が泣いているから自分も気持ちを抑える。
- 大声を出したい気持ちだけど、先生が怖い顔でこっちを見ているからがまんする。
相手の表情や顔色を読んで行動できる子は、このように自分の気持ちを抑えることができます。
それが必ずしも100%いいかというと、決してそうではないと思います…
逆に相手の顔色を読みすぎて疲弊してしまうお子さんも多いですからね。。
顔色を読みすぎる癖を身につけても、あまりメリットはありません。
とはいえ、まったく相手の表情を読み取れない、というと、これはこれで困ったことになります。
周囲の状況に関係なく、自分の気持ちを押し通してしまいがちだからです。
5.認知が偏っている
- 「自分がやりたいことを止める人間は全員敵」
- (友達がぶつかっただけなのに)「あいつが俺を蹴ってきた」
- 「ママがTVを見せてくれないのは僕に意地悪をしているから」
- 「けんかしたら、相手が泣くまで叩けば勝ち」
こんなふうに、第三者から見たら
は?なんでそんなこと考えるの?
とあきれてしまうような思考回路に陥ってしまうことがあります。
このような、一見不合理な考え方は、「認知の偏り」から来ていることがあります。
認知の偏りとは、「考え方の歪み」のこと。
例を挙げると…
- 全か無か思考
「全然だめ」か「最高」のどちらかしかなく、中間がない。
「まあまあできた」と考えられないことが多い思考法です。
お菓子を買いに行って、好きないちご味が売り切れていた時に、
「チョコ味が買えたからまあ、いいか」と考えられれば良いのですが、
「いちご味が買えなかったら意味がない。今日は最悪の1日。」みたいになってしまうお子さん、いませんか。
これが「全か無か思考」です。
- 過度な一般化
一人の友達とけんかすると、「クラスの全員がぼくを嫌っているんだ」と考える。
テストで1回悪い点を取ると、「いつも私は点数が悪い。おちこぼれだ」と考える。
そんなふうに、たったひとつの悪い出来事を世の中すべてに応用して考えてしまうことをいいます。
- レッテルを貼る
身の回りの出来事や人に対し、自分独自のレッテルを貼ってしまい、それがなかなかはがせない。
そんなことがあります。
たとえば特定の先生に対して「あの先生は意地悪だ」とレッテルを貼ってしまう。
すると、どんなにその先生が自分のことを思って声をかけてくれたとしても、すべて意地悪に見えてしまいます。
認知の歪みは、他にもいろいろあります。
これらの考え方に支配されていると、視野がせまくなり、ちょっとしたことが許せなくなります。
「怒りの沸点が低い」状態です。
ちょっとしたことで「許せない!」となるので、かんしゃくや暴力につながるケースが多いのです。
6.誤学習しやすい
これも認知の歪みと似ていますが、ある出来事に対して、誤った解釈で学んでしまうことがあります。
↓
ママが優しく「どうしたの?」と聞いてそばにいてくれた
↓
寂しさが解消された
↓
「そうか、寂しい時には泣いて暴れればいいんだ!」
このような誤った学習を「誤学習」といいます。
発達に特性のあるお子さん、認知が偏りがちなお子さんは、この「誤学習」に陥りやすい傾向があります。
文章にしてみるとあきれるほど不合理な考え方ですが、年齢や状態像にかかわらず、このような誤った学習をしてしまう人はたいへん多く見られます。
ちょっと身の回りの人を思い浮かべてみてください。当てはまる人が一人はいるのではないでしょうか?
かんしゃくや暴力に限らず、パターン化してなかなか改善できない行動問題は、この「誤学習」に基づいていることが多いのです。
7.感情のコントロールが苦手
シンプルに、
怒りやイライラなどの感情をコントロールすることが苦手
というお子さんも多いです。
具体的には「1」でお伝えした衝動性のほかに以下のような状態が考えられます。
- 見通しが十分にもてていない
感情を爆発させる→相手を傷つけたり、自分の立場が悪くなったりする
感情をコントロールする→相手とうまくやれる、自分が認められる、ということが予測できない状態です。
- 沸点が低い
「ちょっとイライラするけどがまんできる」がなく、イラッ→即爆発、という感じ
まとめ-冷静に観察すると、原因が見えてくるかもしれません
ここまでをおさらいしましょう。
かんしゃくや暴力が多い場合、その背景となる発達上の特性がないかを見極めることが大事です。
- 衝動性が高い
- 言葉の発達が不十分
- 聞く力が育っていない
- 相手の表情や顔色を読むのが苦手
- 認知の偏りがある
- 誤学習しやすい
- 感情のコントロールが苦手
次回は、「環境面」からかんしゃくや暴力の原因を見ていきます。
かんしゃくや暴力は、お子さんだけが悪いのではありません。
お子さん本人だけでなく、お子さんが置かれている環境にも、かんしゃくや暴力を引き起こす原因が隠れていることがあるのです。
次回も子育てのヒントとなる情報をお伝えしていきますので、ぜひお読みくださいね!