発達障害のある子の問題行動 対応その①言葉かけの工夫

行動問題

危ない行動や、人・ものを傷つける行動、

衛生的に問題がある行動、ちょっと恥ずかしい行動など…

いわゆる「問題行動」っていろいろありますよね。

 

なんとか止めてほしい!

そんな支援者の思いは、なかなかお子さんには届かないもの。

注意しても聞いてもらえない

むしろ、逆効果になってしまう

そんな経験、ありませんか?

 

たま
たま

私も、ずいぶん失敗してきました。

 

第1回めの今日は、効果的な言葉かけについて。

・NGな言葉かけ

・OKな言葉かけ

について考えてみたいと思います。

言葉かけが一気に効果的に!?

ある行動を止めてほしい…そんなことは数多くあると思います。

でも、「ストップして~~~💦」という大人の思いは、往々にして伝わらない。

困りますよね…

でもその言葉かけ、ちょっとしたアイデアで、

一気に効果的になるかもしれません。

 

NGな言葉かけ「◯◯しちゃダメ」

問題行動が見られたときに、

「◯◯しちゃダメ」

「◯◯しません」

「◯◯しないでね」

と、「問題行動+否定語」で言葉をかけてしまいがちです。

「走っちゃダメ」

「お友達を叩きません」

「爪をかまないでね」などなど。

私も今まで、職場や家庭で何度この言い方を使ってきたことか…

でもこれ、実はNGなんです。

 

どうしてNGなの?

発達段階にもよりますが、多くのお子さんにとって、

否定語を聞いて禁止されていることを理解し、その行動をやめる

というのは非常にハードルの高いことです。

というのも、文章の最初に出てきた問題行動そのものが強烈にイメージされてしまうから。

 

「走っちゃダメ」と言われると、脳内では「走る」という行動がイメージされてしまいます。

「お友達を叩きません」と言われると、叩いてしまいます。

「爪をかまないでね」と言われると、つい手が口元にいってしまいます。

 

好きだから、感覚上の必要があるから、等々、その行動の動機が強ければ強いほど、

禁止語ではあっても、その行動を強化することになってしまうのです。

 

これは、明らかに反抗するつもりがなくてもやってしまいがちなこと。

大人から見ると、「ダメ」と言われたことをわざわざやっているように見えて、

ついイライラさせられてしまう…なんてこともあるかと思います。

 

代わりにこんな言葉をかけてみよう

「問題行動+禁止語」がNGなのはわかった。

きなこ
きなこ

じゃあどうすりゃいいの??

…って、思いますよね。

そんな時は、「言葉かけの変換」です。

代わりにしてほしい行動を伝える

これが一番です。

✕「走っちゃダメ」→◯「ゆっくり歩いてみよう」

✕「お友達を叩きません」→◯「お友達には、優しくタッチだよ」

✕「爪をかまないでね」→◯「折り紙やろうか」(別の行動に誘う)

※それぞれ、行動の背景に何があるのかによって、言い換えパターンはいろいろです

 

コツは「具体的で主体的な行動に変換して伝えること」

言葉かけの変換には、コツがあります。

それは「具体的で主体的な行動に変換して伝えること」

たとえば上記の例で、

「走っちゃダメ」の代わりに、「止まってて」

「お友達を叩きません」の代わりに、「じっとしてて」

「爪をかまないでね」の代わりに、「手を下ろしていて」

では、うまくいかないと思います。

なぜなら、子どもが「やりづらい」行動だからです。

大変アレな例えですが、以前、「死体にでもできることは、子どもに指示するな」と教わりました。

「ただ黙っている」「じっとしている」「何もせず待っている」は、死体でもできます。

これを、生きている我々(特に子ども)にある一定以上の時間続けさせるのは、

大変なことなのです。

言い換えるときには、「生きていなければできない行動」にしましょう。

つまりは、「具体的で」「主体的な」行動です。

その子が嫌いでない行動であればなお良いでしょう。

きなこ
きなこ

そうはいっても、難しいよね…

 

 

大丈夫、慣れてくると、脳内で「否定語→別の行動の指示」に変換するのが早くなってきますよ。

 

おわりに

いかがでしたか?

言葉かけは、いろいろな支援の中でも、

・すぐにできて

・お金もかからず

・その場で、お子さんに合わせてできる

とても手軽な支援です。

ぜひ一緒に、言葉かけのスキルを高めていきましょう。

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