【発達障害のある子への対応】脱・イライラ編その4 ~相手の◯◯さを想像する力を~

行動問題

保護者も支援者も、

どうしてもお子さんに対してイライラしてしまう場面があるかと思います。

そんな悩みにこたえる、「脱イライラ支援者シリーズ」4本目をお読みください。

 

相手の困難さを想像する力を

あなたが接しているお子さんは、

何らかの「困難さ」を抱えているのではと思います。

 

感覚の過敏さ

見通しがもてないと混乱する

感情のコントロールが難しい

こだわりが強く、受け入れられない事柄が多い

コミュニケーションに難しさがあり、お互いに意思疎通がうまくいかない

などなど…

そんな「困難さ」を、どれくらい自分ごととして理解できるか

それによって、感じるイライラの度合いは大きく変わってきます。

 

いつも思うこと

今目の前にいる、対象者のお子さんが見ている世界を、

この子が見ているように経験してみたい

と、いつも思うのです。

色の見え方、光の感じ方、音の聞こえ方…

凡人の自分と、感覚面での特性をもっているお子さんでは、

大きな違いがあるでしょう。

 

私から見たらなんてことない、窓から差し込む光と風にゆれるカーテンも、

あの子から見たら、キラキラとした光とゆらゆらしたカーテンが

この上なく魅力的なものだから、じーっと眺めているのかも。

私が何も考えず口に放り込んでいるこのサラダのレタスも、

あの子が口に入れるととても固くてひどい食感に思えるのかも。

 

1日でも対象者のお子さんと入れ替わって世界を経験できたら

その後の支援にどんなに役立つだろう、と思うのです。

 

最近では、VRゴーグルなどで自閉症の方の世界を体験することもできるようですが、

もっともっと感覚面でダイレクトに経験してみたいです。

 

しかしすぐには難しいので、乏しい知識と経験、想像力を総動員しています。

どれほど自分の想像が正確なものか、はなはだ心許ありませんが…

その努力の過程で、自分を応援してくれる強力な味方が3つあります。

 

「困難さを想像」を助ける味方

視点変換

自分からお子さんを見る、その視点から、

そのお子さん自身の視点に変換すること。

もちろんとても難しいことです。私も全然できていません。

でも、少なくとも「想像しよう」と思うことで、視点変換を心がけることはできます。

将棋の名人は、棋盤を、

自分サイドではなく相手サイドから見た角度に脳内で変換できるといいます。

まさにそんな感じです。

すぐには難しいかもしれませんが、日々

「このお子さんから、世界はどう見えているのだろうか」

という視点で考えると、少しずつセンスが磨かれていくように思います。

 

知識

視点変換してみるには、知識という後ろ盾が絶対に必要です。

人間、自分が知識ゼロのものについては想像しようがないからです。

丸山美和子 発達のみちすじと保育の課題

これらの本は、私に「困難さを想像」するための知識を与えてくれました。

 

仮説&検証を一緒にしてくれる仲間

一人で考えていると、ドツボにはまりがちです。

一緒に考えてくれる仲間がいることで、はまっていたドツボから抜け出せることが多々あります。

たとえば、ある暑い日。

Aさんが、部屋の中で物を投げてしまった場面。

あとで同僚と振り返ると…

たま
たま

今日のAさん、怒っているように見えたよ。暑さにイライラしてやってしまったのかな。

 

うーん、その直前に鳴った放送の音楽の音量が大きくて、耳をふさいでいたよ。

たま
たま

そういうことだったんだ!放送の音が嫌いなのかもしれないね。

放送で音楽が鳴ったらすぐ使えるように、部屋にイヤマフを常備しておこうか。

そうだね。それでイヤマフを付けてみて、落ち着いたら、原因は音ってことだよね。

といったように、様々な意見を出し合う中で、

一人ではたどり着けなかった答えが見えてくることがあります。

これを繰り返すことで、自分の中に多様なものの見方が生まれるように思います。

 

まとめ

お子さんの困難さを想像するには、

思いだけではなく、自分を応援してくれる要素が必要です。

少しずつ、いっしょに前進していきましょう。

ふと、以前の自分と比べてみたときに、

「あの子のこんな行動、以前の自分なら叱ることしかできなかったけど、

今では別の対処法が思いつくようになったなあ」

と、自分の成長が実感できる瞬間があるかもしれません。

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