こんにちは、たま@tama_tetoteです。
かんしゃくや暴力が起きてしまう状況は、なんとなく把握できたよ。
次にするべきことは何なの?
まずは「環境調整」をしましょう。
うまくいくと、お子さんの行動が劇的に変わりますよ。
「環境調整」て、なあに?
かんしゃくや暴力、大声で泣くなど…
問題が起きてしまってから、その行動をやめさせるのは、とっても大変ですよね。
カッとなっている時に声をかけても、そもそも聞こえていなかったり。
お友達を叩いたりモノを投げたりして、ケガさせてしまったり。
「悪い行動をしてしまった」と、あとで自己嫌悪に陥ってしまう子もいます。
これが、「環境調整」です。
お子さんを変えるのではない。
周りの子を説得するのでもない。
ただただシンプルに、環境をととのえるだけ。
たったこれだけのことですが、ピタリとハマると、実は絶大な効果をもたらすのです。
なんて魅力的な「環境調整」…!
でも、具体的にどうすればいいの?そこが知りたいのよ~。
そうですよね。
具体的に見ていきましょう。
発達障害の子に効く環境調整のコツ その1「不要な刺激を減らす」
まず大事なのは、いらない刺激、よくない刺激を徹底的に減らすことです。
①部屋の中をできるだけシンプルにし、落ち着いて集中できる空間にする
②問題行動のきっかけとなりそうなモノを近くにおかない
③相性の悪い相手とは距離をおけるようにする
この3点を心がけましょう。
くわしく解説します。
①部屋の中をできるだけシンプルにし、落ち着いて集中できる空間にする
発達に特性のあるお子さんの中には、視覚優位な子が多いです。
つまり、見えたものに惹かれやすいということ。
勉強しようと思っていても、視界の端っこにマンガやゲームがあったら、そっちに行ってしまいますよね。
また、色彩やモノがごちゃごちゃしていると、それだけで集中力を削がれたり、イライラしやすくなるお子さんも多いです。
この際ですから不要なものを捨てて、部屋をすっきり整理整頓できれば最高ですが、忙しいとなかなか難しいですよね。
それだけでも効果がありますよ。
②問題行動のきっかけとなりそうなモノを近くにおかない
①ともかかわっていますが、とにかく「地雷」になりそうなモノは最優先でお子さんの視界から消しましょう。
- 独り占めしがちなおもちゃ
- 怒りの感情で我を忘れたときに「凶器」になってしまいそうな、ハサミやカッター
- 自分のものにしてしまいがちな、他の子の持ち物
こういったものを、お子さんがいない時にしれっと隠しておきます。
くれぐれも、目の前で隠さないように!火種になりますよ💦
記憶力にすぐれたお子さんであっても、目の前から無くなると意外と忘れてくれることも多いです。
(ほとぼりが冷めた頃にそっと出しておくと、問題なく使えたりもするんだよね~。)
③相性の悪い相手とは距離をおけるようにする
これは「物的」ではなく「人的」な環境調整。
ついついケンカしがちな相手とは、
- 座席を離す
- 座る時の方向を調整して、お互いに視界に入らないようにする
- パーテーションでお互いを見えにくくする
こういったことをするだけで、かなりトラブルは減ります。
自由に遊ぶ時に、どうしてもお互い惹かれ合って一緒に遊んでしまい、結局けんかになるんだよね…
ありますよね~、そういうこと…。
園や学校だけでなく、家庭でも起こりうる悩みです。
「お友達と遊びたい」「きょうだいと一緒にいたい」というお子さんの気持ちを否定してしまうのはあまりにかわいそう。
でも、毎日のように取っ組み合いのケンカになってしまうのも大変。
そんな時は、
- 約束をしてから遊ばせる(お互い手は出さない、困ったら大人に相談するなど)
- 大人が一緒に遊び、仲良く遊べたという経験を十分に積ませる(仲良く遊べるパターンを定着させてしまう)
- 近くで見ているようにして、雲行きが怪しくなってきた時点で穏便に引き離す
あたりが対応策になります。
トラブルになった時に、それぞれがクールダウンできる場があると良いですね。
そんなにたくさんの部屋、うちにはありません…
という場合には、パーテーションで区切ることがおすすめです。
パーテーションは市販のものでもいいですが、まずはダンボールなどで試してみるとムダがありません。
すぐにはうまくいかないかもしれませんが、
よりはずっとマシなはずです。
発達障害の子に効く環境調整のコツ その2 のぞましい行動をとりやすい環境をつくる
環境調整は、「よくない行動を防止」するだけでなく、
「のぞましい行動を増やす」目的でも使える技です。
具体的には、
①動線や空間を整備して、のぞましい行動「しか」できないようにする
②良い行動のモデルや言葉、スケジュールを掲示しておく
③落ち着いて過ごせる「場」をつくってあげる
といったことが挙げられます。
①動線や空間を整備して、のぞましい行動「しか」できないようにする
たとえば
→正しい並び方「しか」できないのでトラブルが減り、かんしゃくや暴力が起きにくくなります。
また、
→落ち着いて読書したくなるような環境をつくることができます。
子どもたちが走り回ることで起きるトラブルが回避できますね。
のぞましい行動「しか」できなくなると、自然と、かんしゃくや暴力のきっかけも減っていきます。
②良い行動のモデルや言葉、スケジュールを掲示しておく
「かして」「ありがとう」
とか、
「やめて」「ごめんね」
など、身につけさせたい言葉を掲示しておくと、意外とそれを見て使えるようになるお子さんがいます。
また、見通しが立たないことで不安定になり行動問題が増えてしまうお子さんには、
という方法が有効です。
それを見ながら行動すれば良い、という安心感が生まれ、落ち着いて行動できるようになることがあります。
いずれにしても、あまりにごちゃごちゃしていると逆効果になるので気をつけましょう。
③落ち着いて過ごせる「場」をつくってあげる
- イライラした時に逃げ込める小さな部屋
- 薄暗くて、心落ち着ける音楽が流れている場所
- ちょっとの間一人になれるスペース
こういう「場」があると、それだけで落ち着けるお子さんもいます。
専用の部屋が用意できたらそれに越したことはありませんが、難しい場合が多いですよね。
そんな時は、前述したパーテーションを使ったり、「トイレの個室」を利用するという手もあります。
ご家庭では、
- クローゼット
- 浴室(浴槽にお湯が入っていると危険なので✕ですが)
- 押入れ
などを「自分だけのスペース」として使うお子さんもいます。
まとめ~大事なのは、周りの理解と協力
ここまでをおさらいしましょう。
環境調整は、問題行動を「そもそも起こさせない」ために超有効です
①部屋の中をできるだけシンプルにし、落ち着いて集中できる空間にする
②問題行動のきっかけとなりそうなモノを近くにおかない
③相性の悪い相手とは距離をおけるようにする
そして、
①動線や空間を整備して、のぞましい行動「しか」できないようにする
②良い行動のモデルや言葉、スケジュールを掲示しておく
③落ち着いて過ごせる「場」をつくってあげる
いずれにしても、ここで絶対必要なのは、
です。
そんなに先回りしていろいろ撤去しちゃったら、自分で考える子に育たないわよ~
とか、
この子だけにスペース作ってあげるなんて、甘やかしすぎなんじゃない?
なんて言う方も、中にはいることでしょう。
でも、問題行動を引き起こす環境は、お子さんにとって「地雷」が埋まっている場所と同じです。
お子さんが地雷を踏んでケガをしてしまうのを、黙って見ているわけにはいかないですよね?
また、発達に特性のあるお子さんにとって、大事なのは失敗体験より成功体験。
失敗を通して学ぶことよりも、
- できた!
- うまくいった!
- こうすればいいんだ!
という経験をどれだけ多く積めるか、がポイントなのです。
そのことを根気強く、周囲に伝えていってほしいと思います。
応援しています!