子どものかんしゃく・暴力の意外な原因とは?環境面の原因を徹底解説【行動問題への対処法シリーズ】

行動問題

こんにちは、たま@tama_tetoteです。

かんしゃくを起こしたり、暴れたり…
そういう子って、育て方が悪いんじゃないの?

もともと持っている特性なんでしょ。
どこに行っても、そういう子は変わらないわよ。

 

たま
たま

いいえ、決してそんなことはありません。

「人間は環境の生き物」と言われます。

どんなに大切に育てられたお子さんでも、
どんなに心根の優しいお子さんでも、
自分が心地よく安心できる環境でないと、暴力性が出てしまうことはあるのです。

というわけで、今日は、かんしゃく・暴力の

環境要因

についてみていきましょう。

ここでの「環境」とは、「物的」「人的」両方を指します。

この記事を読むことで、

  • お子さんのかんしゃくや暴力の原因がわかる
  • 予防するための知識が身につく
  • 「子育てや支援のしかたが悪いのでは」と自分を責めることが減る

というメリットがあります。
ぜひ、最後までお読み下さい。

かんしゃくや暴力を誘発してしまう環境要因5つ

「環境」と一口にいっても、さまざまな要因があります。

1.視覚的な刺激が多すぎる

  • モノが多く、ごちゃっとした部屋
  • 壁や家具の色合いが非常にカラフルな部屋
  • 人の出入りや動きの多い、雑然とした場

にいると、落ち着きがなくなってしまうお子さんがいます。
視覚優位なお子さん、注意をどこに向けたらよいのかが分からなくなりがちなお子さんに多いです。

  • 整理整頓ができていない教室
  • ごみがそこら中に落ちているような、掃除が行き届かない部屋
  • 部屋の広さに対し人数が多すぎる場所

は要注意。

・落ち着いて大人の話が聞けないので、指示どおりに動けなくなる
・注意力が散漫になったり、テンションがやたらと上がってしまったりして、トラブルにつながる
・イライラしやすくなり、ちょっとしたことで怒りに火がつく

ということが起きてしまうかもしれません。

2.聴覚的な刺激が多すぎる

視覚と同じくらい気にかけたいのが、「聴覚的な刺激の多さ」。

  • 複数人が同時にしゃべっていて、ガヤガヤしている
  • 常に誰かの声が聞こえて、「シーン」となる瞬間がない
  • 大きな声、カン高い声がひんぱんに聞こえる
  • 苦手なタイプの音が聞こえる

このような場は、聴覚的な過敏さをもつお子さんにはとってもつらいものです。
集中力が落ちますし、イライラしやすくもなります。

これら、「視覚的・聴覚的な刺激が多すぎる」というのは、そのまま「荒れているクラス」の特長に当てはまります。

掃除や整理整頓ができておらず、教室中にモノが散乱したりゴミが散らばっている。
授業中も静かにならず、常におしゃべりや怒鳴り声が聞こえている。

そのような環境は、発達に特性のあるお子さんにとって非常に辛いのです。
その結果、お子さん自身の怒りが爆発しやすくなり、暴言・暴力が起きてしまうとしたら…とても悲しいですね。

たま
たま

ちなみに私自身も、視覚的・聴覚的な刺激が過多になるとイライラしたり集中力が落ちるので、なるべくスッキリとした環境で過ごすことや、静かな環境に身を置く時間をつくることを心がけています。

3.相性の悪い子、お互い刺激し合う子がいる

次の3つは、「人的要因」です。
まずは、お互いに「地雷」になってしまう関係性の子がいる場合。

どういうわけか相性が悪く、一緒にいるとすぐにけんかをしてしまう。
また、お互いに何かしら「許せない」と思う特徴や行動のクセをもっている。

そういう関係性の子に限って、なぜか惹かれあい、一緒に過ごしがちなんですよね…

大人からすると「ちょっと離れていたほうがお互いのためなのでは」と思ってしまうのですが、当人同士はそうは感じないことが多いです。

また、どちらかが一方的に挑発的な言動をとったり、不必要に注意をして相手を怒らせる、というケースもあります。

このような関係性の子がいると、どうしてもかんしゃくや暴力は起きやすくなってしまいます。

4.何らかの「モデル」に触れている

不適切な「モデル」があり、お子さん本人がその「モデル」をかっこいいと思ってしまうと、とても厄介です。

乱暴だけどかっこよさもある、年上の友達
TV番組や漫画に出てくる、強くて正義のために相手を倒すヒーロー

このような「手本(モデル)」を見て、

きなこ
きなこ

自分もこうなりたい…!

と思ってしまい、暴力的な部分だけを真似してしまう。
そのようなケースが時折見られます。

また、ご家族がそのような「不適切なモデル」になることも、残念ながらあります。

  • 何かあると大声で怒鳴る、暴力をふるう大人
  • 思春期で、ご両親に反抗的な態度をとるお兄ちゃん、お姉ちゃん

このようなご家族を身近に見ていて、

きなこ
きなこ

そうか、自分もこんなふうにふるまえば、問題解決できるんだ

と思ってしまうと、よかれと思って暴力的になってしまうことがあります。

5.誤学習を誘発するかかわり方をする人がいる

前回の記事で、「誤学習」について書きました。

お子さんが自分の気持ちを暴力的に表現する。
そのような行動を助長してしまうかかわりをする人がそばにいると、どうしてもかんしゃくや暴力はなくなりません。

たとえば、お子さんがイライラして態度に表したときにすかさず

あらあら、イヤなの?ママが代わりにやってあげるわね~

と、イライラの中身をお子さんが言語化する前に察して何かをしてあげたり。

お子さんが暴れることを恐れるあまり、少しでも暴れた場合に

わかったわかった、これ買ってあげるから、暴れないで~

と、「暴れる」ことの結果として何かごほうびをあげてしまったり。

そのようなかかわりが続くと、

「イライラした態度をとると、嫌なことをしなくて良い」
「暴れると、いいことがある」

という「誤学習」をさせてしまうことになります。

この「誤学習」をさせてしまう人は、家族だけとは限りません。
学校の先生や施設のスタッフさんがそういう結果を招いてしまうことも、ありえるのです。

たま
たま

私達支援者は、自分がそんな「誤学習」をさせる存在になっていないか、いつも考える必要があると思います…。

まとめ 環境を味方につけると、かんしゃくや暴力は減らせます

ここまでをおさらいしましょう。

かんしゃくや暴力は、物的・人的な環境要因によっても起きることがあります。

  • 視覚的な刺激の多さ
  • 聴覚的な刺激の多さ
  • 相性の悪い子、お互いに刺激してしまう子
  • 何らかの不適切なモデル
  • 誤学習を誘発するかかわりをする人

逆に言うと、

良くない環境要因を減らし、お子さんが落ち着いて過ごせる環境を整えることで、かんしゃくや暴力を減らせる可能性がある

ということです。

次回からは、そういった「対処法」について見ていきましょう。

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