こんにちは、たま@tama_tetoteです。
急にキレたり、何でも「ウザい」「ダルい」で済ませたりする子…
どうしたら自分の感情を自覚して、適切に表現できるようになるのかな?
自分の感情と向き合い、自覚し、そしていい形で表現できるようになると、ぐっと穏やかに生きられるようになります。
この記事では、そのための支援を具体的に提案します。
ぜひ、最後までお読みください。
発達障害のお子さんが感情を自覚するために必要な3つのこと
1.自己理解の経験をたくさん積む
発達に特性のある方が自立して幸せに暮らしていくために、「自己理解」は避けては通れない道です。
「己を知る」ことで心が安定するだけでなく、自分がどんな支援を必要としているのかがわかり、「手伝ってください」が言えるようになります。
また、自分の特性や得意、不得意の理解は、進学・就職などで求められることも多いです。
では、その「自己理解」、どうすればたくさん経験していけるのでしょうか。
ありのままでOKというメッセージを日頃から伝える
「こんな自分じゃだめなんだ」と思ってしまうと、自己理解どころではなくなります。
むしろ、本当の自分から目をそむけ、「期待されている自分」を演じてしまったり、逆に行動問題につながってしまうことがあります。
- 失敗してもいい
- かっこわるいところがあってもいい
- 苦手なことがあってもいい
ということを、おうちの方が身をもって示していきましょう。
何でも完璧にこなすママより、ちょっとくらい失敗しても「まあ、いっか」と言っているママの方がお子さんにとって良いんですよ!(と、自分にも言い聞かせたりして…)
小さなことをたくさん「選択」させる
「自分で決める」経験は、自己理解につながります。
- 麦茶とジュース、どっちがいい?
- 黒い靴下と青い靴下、どっちがいい?
時間に追われる日常生活では難しいこともありますが、ちょっとした選択をお子さん自身にさせるようにしてみましょう。
選択することに慣れてきたら、
どうして、こっちを選んだの?
と、その「理由」を聞いてみます。
「オレンジの味が好きだから、ジュースにした」
「黒い色がきらいだから、青い靴下にした」
こんなふうに、選択した理由を考えることは、自分を知ることにつながります。
えっ、そんなこと?
と思うような「一見どうでもいいこと」で選択させ、理由を言わせたほうがラクです。
- 結局どっちでもいいので、他に影響をおよぼさない
- 気楽にやりとりができる
- こだわりを助長しない
などの理由からです。
何でも与えられ、自分で選ぶ機会がないと、子どもはどんどん受け身になります。自分で選ぶ機会は、自主性や自尊心を育てることにもつながるので、おすすめです。
自分の得意と苦手を知る機会をつくる
日常生活の中で小さなトライをたくさんさせて、
あれ?ぼくってこれが得意かも
私、これはあんまり得意じゃないし、好きじゃないな
と、「得意と苦手」を知る機会をつくっていきましょう。
自分の得意なこと、苦手なことが言語化できるというのは、自己理解の中でもすごく大事なことです。
大事なのは、
ということです。
算数が得意?そのわりには、こないだのテスト悪かったね~
とか、
鉄棒が苦手?そんなこと言ってないで、練習しなさい!
とか、ついつい言いがちですよね。
逆に、
『ぼくは絵が苦手』と言っていたから、家では絵を描かせないようにしよう
などと、お子さんが言ったことを100%受け入れてしまうのももったいないです。
どちらにしても、
「へぇ~、そうなんだ」
と、否定も肯定もせず受け止めてみましょう。
2.物事を正しく認識できるように練習する
障害特性として「バイアスがかかりやすい」ことを知っておく
発達に特性のある方は、「認知の偏り」が起きやすいと言われています。
つまり、物事の捉え方に「バイアスがかかりやすい」ということ。
他の人から見たら「ええー?」と言いたくなるくらい歪んだ解釈の仕方をしてしまうことがあるのです。
このことを知っておくと、我が子がとんでもない解釈をした時に、
そうか、これはこの子の特性なんだな
とある程度冷静に受け止めることができます。
また、お子さんの認知のクセがわかってくると、
こう言ったら、悪い方向に受け止めてしまいそうだな
とか、
こんなふうに伝えた方が、すんなりOKしてくれそうだな
と、伝え方の「コツ」も見えてきます。
トラブルが起きたら、絵や図で整理しながら振り返る
友達やきょうだいとのトラブルが起きると、認知の偏りが発動してしまうお子さんが多いです。
「ぜったい俺はやってない!あいつが叩いてきたんだ!」
とか、
「『ちょっとどいて』って言ったのは、私のことが嫌いだから。意地悪で言ったんでしょ」
など。
仲裁をするときは
のがおすすめです。
発達の特性として
- 耳からの情報処理が苦手で、言われていることがわからない
- ワーキングメモリが低く、話の流れを覚えていられなくなる
ということがあると、理解の妨げになります。
わからないことがイライラにつながり、トラブルの解決どころではなくなってしまいます。
かんたんな絵や図、キーワードがあるだけで、冷静に振り返ることができるようになるので、そのぶん認知の偏りも少なくなります。
一見めんどうですが、実はこっちが近道です。
3.感情を自覚する方法は一つではないことを知る
発達に特性のあるお子さんの場合、
どんな気持ち?
と、言葉で感情を聞かれても、うまく答えられないことがあります。
そんなお子さんには、「感情の自覚方法」はいろいろあるんだよ、ということを教えてあげるのが大事です。
身体感覚
- 顔がカッと熱くなる
- お腹のあたりがもやもやとする
- 手が震える
など、心で感じていることが身体的に現れることってありますよね。
それも大事な「心の叫び」=「感情表現」です。
悲しかった、イライラしたなどの言語表現が苦手な子には、
熱くなった?寒くなった?
お腹のあたり、もやもやした?
など、身体的な感覚に着目して聞いてあげるのが有効なこともあります。
表情絵の選択
- イライラした
- 悲しかった
などの「言葉」と自分の感情がうまく結びつきにくいお子さんの場合、
で振り返ることもおすすめです。
なるべくシンプルな、わかりやすいものを提示してあげるといいですね。
「表情絵カード」でGoogle画像検索すると、たくさん出てきます。
「表情絵」で検索すると、イラストの描き方がたくさんヒットしちゃうので、「カード」をつけて検索した方が良さげです!
まとめ―感情の自覚は筋トレのようなもの
ここまでをおさらいしましょう。
発達障害のお子さんが感情を自覚できるようになるために必要なこと
- 自己理解の経験をたくさん積む
- 物事を正しく認識できるように練習する
- 感情を自覚する方法は一つではないことを知る
自分で自分の感情を自覚する。
一見当たり前のようなことですが、障害の有無や年齢にかかわらず、ふだんからやっておかないとできなくなります。
あなたも、自分の感情を無視していませんか。
お腹の「モヤッ」という感じや、なんとなく不安だという意識。
筋トレと同じく、普段から自分の感情に気づくトレーニングをしていけるといいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回は「感情を表現できるために必要なこと」について、見ていきましょう。