こんにちは、たま@tama_tetoteです。
新年度が始まってもうすぐ1ヶ月。
支援者のみなさんや先生方、お子さんとの信頼関係は作れていますか?
もとからいるスタッフにはべったりなのに、
私には全然近づいてくれない…
まったく指示が通らなくて、
心が折れそうになるよ…
この記事は、そんな、
という支援者・スタッフ・先生方のために書きました。
この記事を読むことで、
指示が通らない、行動問題があるお子さんへの対処法がわかる
というメリットがあります。
特に、心が折れそうになっている方には、大きなヒントになるはずです。
ぜひ最後までお読みください。
発達障害児との信頼関係を作る、3つのヒント
発達障害をもっているお子さんとの信頼関係の作り方にはコツがあります。
ここでは、3つのヒントを紹介します。
1.情報をあつめまくろう
お子さんとの関係づくりにおいて、最も大切なものは「情報」。
情報なしでお子さんと向き合うのは、丸腰で戦場に行くのと同じです。
必要な装備として、「情報」はできるだけ多く集めましょう。
2つの集め方があります。
・まわりのスタッフや親御さんからの話で集める
じっくりみていきましょう。
文字情報から集める
1つ目の「文字情報」とは、お子さんに関する資料のことです。
どの施設にも、個々のお子さんについての情報が紙やデータでまとまっているはずです。
- 成育歴
- 診断名
- 今、課題になっていること
- 今、目標にしていること
- 接するときに気をつけたいこと
などを、それらの資料から読み取りましょう。
まわりのスタッフや親御さんからの話で集める
2つ目の「まわりのスタッフや親御さんからの話」は、生きた情報です。
- 最近の様子
- これまでの様子(どんなふうに変化してきたのか)
- 今、まわりの大人はどんな願いをもってそのお子さんに接しているのか
といったことはもちろんですが、
- この言葉を使うと指示が入りやすい
- この言葉はNG。使わない方がいい
という、「言葉」に関する情報や、
- 好きなもの
- 得意なこと
- キライなもの
- 苦手なこと
といったお子さん個人に関する情報、
- こんな音や触感が苦手
- キライな食べ物、好きな食べ物
などの感覚過敏に関する情報も大事です。
も、ぜひ聞いておきたいところです。
これらの情報は、改めて聞く場を作るのも大事ですが、それ以上に
ということもすごく有効です。
「雑談」に見えるおしゃべりの中に、意外なヒントが隠れていたりしますよ!
2.小さな「仮説→検証」サイクルを回しまくろう
情報を集めたら、とにかく仮説→検証。
小さいことをいろいろ試してみて、お子さんの反応を見てみましょう。
ここで大事なのはこれ。
3回小さく試してダメだったことは、もうやらない
お子さんとの関わりがうまくいかない支援者がやりがちなことが、
ということです。
たとえば、
◯◯しない!やめて!
と繰り返す支援者と、全くその指示を聞かないお子さん
とか、
●●ちゃん!
こっち来て!
じっとしてて!
と何度も呼ぶ支援者と、無視して走り回るお子さん
問題行動を繰り返すお子さんと、
あーっ!
またやったの?
ダメじゃない!
と怒る支援者
…なんて場面、あなたも見たことがあるのではないでしょうか。
言葉かけにしても、行動の促しにしても、3回試してみて有効でなかった場合、その方法はもうやめたほうがいいです。
有効でない方法を繰り返すということは、行動問題を「強化」してしまうことにもつながります。
ダメだった関わり方は、理由(仮説)と代わりの案を考えてみる
たとえば、お友達をたたいてしまうお子さんに対して、
叩かないでね
と伝えても聞いてくれなかったとしましょう。
その場合、
何度言っても
叩いちゃう…
乱暴な子だなあ
で終わらせてしまったら、そこで試合終了です。
と、考えて、仮説をたててみましょう。
- 禁止(~しないでね、~してはいけません)の言い方がいけないのか
- 「叩く」以外の行動がまだ選べないのか
- 「叩いている」意識や、「叩くことはいけないこと」という意識がまだ理解できていないのか
いくつもの理由(仮説)が考えられます。
それらの理由(仮説)を、代わりの案によって、ひとつひとつ検証してみるのです。
⇊
「叩かないでね」ではなく、
「やさしくタッチしようね」という言い方にしてみたらどうか?
とか、
⇊
あいさつや、「一緒にあそぼう」というコミュニケーションの取り方を教えてみよう
とか、
「叩くことはいけないこと」という意識がまだ理解できないのかも
⇊
叩いてしまった場面をとらえて、
「今のは”叩く”っていうんだよ。お友達は痛くなっちゃうんだよ」と伝えてみよう
とか、理由(仮説)ごとに代案を考えて、ひとつひとつ試してみます。
その際、
こうやってみたんですけど、
どうですかね?
と、まわりのスタッフや同僚に軽く相談してみるといいです。
そのやり方、
あの子に合ってるかも
とか、
あー、
それ僕もやってみたことあるけどダメだったよ。
こういう言葉かけのほうがいいかもね。
など、アドバイスをもらえる場合があります。
ポイントは、「ドツボにハマる前に別のやり方を試す」です。
3.お試し行動に対応しよう
お互いに「はじめまして」の関係の場合、お子さんはさまざまな「お試し行動」を起こす場合があります。
その行動への対応が、今後の関係性を決めるといっても過言ではありません。
「お試し行動への対応のコツ」をみていきましょう。
お試し行動とは
を「お試し行動」といいます。
明らかに「これはいけないことだ」と分かっていることを
あえて行って、大人の顔色をうかがう
という形であらわれます。
お試し行動への対応のコツ①あくまで淡々と
- はさみを間違った使い方で使う
- ものを投げたり、こぼしたりする
といった行動に出くわすと、思わず
うわっ!
やめて!
と大きめの反応をしてしまいがちです。
でも、その大げさな反応はお子さんの行動問題を「強化」するだけ。
- 自分がこれをすることによって、この大人はこんなにおもしろい反応をするのか
- じゃあもっとやってみよう
という気持ちにさせてしまいかねません。
など、
- いけないということが分かりやすく伝わる
- お子さんにとって「娯楽」になってしまうような反応を避ける
ことを心がけましょう。
お試し行動への対応のコツ②あくまで冷静に
お子さんは、対する大人がどんな人なのかを知りたくて「お試し行動」をすることがあります。
- 大きな声で叱る、怒鳴る
- 威圧的な態度で接する
などは絶対にNGです。
- この大人は怖い人なんだ
- 自分の安全をおびやかす人なんだ
とお子さんが判断してしまったら大変。
お子さんの不安をあおり、愛着関係がつくられなくなってしまいます。
また、お子さん自身の状態が不安定になってしまうことも。
内心「あちゃー、なんてことをやってくれたんだ」と思っても、冷静さ・おだやかさだけは失わないようにしましょう。
お試し行動への対応のコツ③楽しくて適切な方法で仲良くなる
お試し行動をしているとき、お子さんは、あなたに興味をもっています。
「なかよくなりたいな」と思ってくれていることも多いです。
お試し行動(問題行動)への対処だけで終わってしまうと、
という「誤学習」(間違った学習)をさせてしまうことに。
誰にも迷惑のかからない楽しい活動で、お子さんと過ごす時間を増やしましょう。
そうすることによって、
とお子さんに思ってもらうことができ、関係づくりにむけてふみだせるようになります。
また、問題行動に気持ちが向きがちなお子さんであっても、楽しい活動に誘導することで、行動問題が解決に向かうことにつながります。
まとめ~あなたというPCに、「お子さんの情報」をインストールしよう
ここまでをおさらいしてみましょう。
発達障害児との信頼関係はどうやって作る?先生、スタッフへの3つのヒント
1. 情報をあつめまくろう
- 文字情報から集める
- まわりのスタッフや親御さんからの話で集める
2.小さな「仮説→検証」サイクルを回しまくろう
- 情報を集めたら、とにかく仮説→検証。
- 3回小さく試してダメだったことは、もうやらない
- ダメだった関わり方は、理由(仮説)と代わりの案を考えてみる
ポイントは、「ドツボにハマる前に別のやり方を試す」こと
3.お試し行動に対応しよう
子どもが、かかわる大人の愛情や自分への接し方、どんな人なのかを「試す」ために起こす問題行動のことを「お試し行動」という
- お試し行動への対応のコツ①あくまで淡々と
- お試し行動への対応のコツ②あくまで冷静に
- お試し行動への対応のコツ③楽しくて適切な方法で仲良くなる
どんなに性能のいいPCでも、必要なソフトをインストールしなければ、動きません。
今、あなたというPCは、お子さんに関する情報をインストール中。
お子さんとの信頼関係が築けない…
と、悩むあなたはそれだけで、りっぱにスタートラインに立っています。
まずは、しっかりとお子さんの情報をインストールして、よりよい支援につなげていきましょう。
応援しています!