【おすすめの本】苦手が「できる」にかわる!発達が気になる子への生活動作の教え方 鴨下賢一・編著 立石加奈子・中島そのみ著

身辺自立

うちの子、手先が不器用で…

スキップやなわとびも全然できないの…どうすればいいかしら

たま
たま

そんなときは、この1冊!

これから、発達支援に関する本のオススメをしていきますね😊

 

今日のオススメ本は『苦手が「できる」にかわる!発達が気になる子への生活動作の教え方』

作業療法士である、鴨下賢一さんが編著。著者は、同じく作業療法士である立石加奈子さん、中島そのみさんです。

食事やトイレ、遊び…生活の中で避けては通れないさまざまな動作が、どうにもうまくいかない。そんなお子さんは多いと思います。

なぜ、そのような不器用さが起きるのか

日常生活の中でどんなふうにサポートしていったら良いのか

ということが、とてもわかりやすく書かれた本です。

オススメポイントは次の3つです。

①不器用さを生む要因が、コンパクトにわかりやすくまとめられている

②「それ知りたかった!」という身近な生活動作がたくさん載っている

③それぞれの動作を教える前に確認しておきたい動作が示されている

では、詳しく解説していきます。

①不器用さを生む要因が、コンパクトにわかりやすくまとめられている

1章「発達過程と不器用さを生む要因を知ろう」では、わずか22ページの中に、

 

・就学前の発達過程

・生活動作を身につける意味

・不器用さや運動面の遅れを生む要因と支援

が、めちゃくちゃわかりやすくまとめられています。

 

たとえば、

・両足でジャンプができるようになる

・丸や十字、人の顔をそれらしく描く

・スキップができるようになる

…それぞれ、だいたい何歳くらいの発達段階でできるようになることか、知っていますか?

いずれも、本の中で詳しく解説されています。支援者としては、押さえておきたいところです。

保護者の方は「うちの子はもう○歳なのに、まだできない…」と落ち込む必要はまったくありません。これらのことを知る意味は、「発達には順序があり、一足飛びに何かができるようになるわけではない」ということを押さえるためにあります。

 

ちなみに…

「叱るくらいなら練習はやめよう」という項目の中で、こんな一節がありました。

排泄の自立を促すときに一番重要な点は「決して叱らない」ことです。あせって叱ってしまうくらいなら、練習を一度やめてしまうほうがいいでしょう。

(本書p.12より抜粋)

たま
たま

焦って我が子を叱りまくっていた10年前の自分に伝えたい…💦

②「それ知りたかった!」という身近な生活動作がたくさん載っている

鉛筆や箸の持ち方など、よく例に挙げられる生活動作はもちろんのこと、

きなこ
きなこ

それそれ!それが知りたかったの!

と言いたくなるような生活動作についても解説されているのがこの本のすごいところです。

まさに「かゆいところに手が届く」といった感じなのです。

たとえば、

・口のまわりを拭く

・マウスを使う

・ランドセルを背負う

という、「実はこれができないとけっこう日常生活で困るんだよね」な動作。

いずれも、つまずくお子さん、意外と多いです。

これらの動作について、

日常でできる原因別サポート法

ワンポイントアドバイス

よくある誤解

が、各動作につき見開き1ページを使って解説されているのです。

 

たま
たま

あ~、あの子にこれ、身につけさせたいな

という時にこの本の目次を見ると、大抵載っています

めちゃくちゃ頼りになります。

 

ちなみに、今のご時世に欠かせない「マスク」

自分でつけられない

嫌がってすぐ外してしまう

というお悩み、多いですよね…💦

そんなお悩みに対するアドバイスも、ちゃーんと載っていますよ!

初版が2013年と、今から8年前なのに、すごいなあと思います。

③それぞれの動作を教える前に確認しておきたい動作が示されている

お子さんにある動作を習得させたい場合、

そもそも、その前段階のことができているのか?

という確認が、おろそかになりがちです。

たとえば、

あの子に、スキップを習得させたいんです

という場合。

 

・両足ジャンプで前進できるか

・片足立ちが2秒以上できるか

・左右の足それぞれケンケンとびで前進できるか

・手でリズムをとることができるか

          (本書p.128より抜粋)

確認しておきたいことは、こんなにあるのです。

こういった「確認しておきたい動作」をすっ飛ばしてしまうと、習得はスムーズに進みません。

いくら励ましても、何度繰り返させても、お子さんにとっては苦痛なだけ。

逆に言うと、これらの動作をしっかり確認してから進めれば、すんなりできるようになったりするのです。

 

前段階の動作が具体的に確認できるというのは、お子さん自身にとっても、支援者や保護者にとっても、とても優しいことだなと思います。

 

こんな方に特にオススメ!

発達障害のあるお子さんに関わる支援者の方

施設の職員さんや幼稚園の先生、保育士さん、学校の先生など、日常的に生活動作を教える場面が多い方は、1冊もっておくととても役に立ちます。

保護者の方

発達に凸凹がある、なしにかかわらず、お子さんが小さいうちはとても重宝する本です。

 

まとめ

 

まとめると、

①不器用さを生む要因が、コンパクトにわかりやすくまとめられている

②「それ知りたかった!」という身近な生活動作がたくさん載っている

③それぞれの動作を教える前に確認しておきたい動作が示されている

というオススメポイントがありました。

生活動作を身につけさせるというのは、家庭においても保育園や幼稚園、学校、施設などにおいても、毎日のように直面することです。

もう!何度言ったらできるようになるのよ!

さあ、もう一回やってみなさい!ほら、私のお手本をよく見て!

なーんてやってしまいがちですが、この本を参考に教えてみると、

あんなに悩んでいたのが嘘みたいに、

すんなりできちゃった!

なんてことがあります。

あるいは、

この子は、まだこの動作を学ぶ段階ではないんだな。

じゃあ、その前段階のこれからやってみよう

と、今やるべきことが明確に見えてきたりします。

いずれにしても、お子さんも、関わる大人も、ラクにしてくれる本であることは間違いありません。

 

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