マスクがつけられない子はわがまま?感覚過敏の対処法を一挙公開

感覚過敏

こんにちは、たま@tama_tetoteです。

きなこ
きなこ

「この子、マスクしてないよ!
親のしつけが

なってないんじゃない?」
って言われちゃった…💦

どんなに言っても

マスクがつけられない我が子、
このご時世、どうすればいいの?

マスクがつけられないと、
本当に外出しづらい世の中ですね。
感染症が心配なのはもちろん、
周りの目も気になります。

でも、大丈夫!
いろいろな方法があるんです。

絶対ヤダ!と言っていたお子さんが、いつの間にかつけられるように…なんてことも、たくさん経験してきました。

この記事を読むことで、
「マスクがつけられない」という悩み解決のヒントが見つかりますよ。

では、早速いってみましょう!

マスクがつけられない子はわがまま!?感覚過敏の対処法を一挙公開

この記事では、

・マスクがつけられない理由
・「マスクがつけられない」は、
実は公的に認められている
・マスクがつけられるようになるための方法
・それでもマスクがつけられない時の逃げ道

を、ご紹介していきます。

マスクがつけられない理由ー感覚過敏って、なんだろう?

感覚過敏。
字面のとおり、「感覚が」「過敏である」ということです。
噛み砕いて言うと、
「感覚が」
触覚、視覚、聴覚、嗅覚などが
「過敏である」
日常生活に支障をきたしてしまうくらい、過剰に敏感である
ということ。
そこに「やる気」や「我慢強さ」そして「親のしつけ」は、まったく関係ありません

つまり、マスクを嫌がるのは、決してわがままではないのです。
このことを周りの人が理解してあげたら、お子さんはとってもラクになります。

「マスクがつけられない」は、実は公的に認められている

最近は感染症対策があるので、マスクは生活に必須なものとなりました。
街を歩いていても、マスクをつけていない人を見かけることはまれです。
でも、実は「感覚過敏のためにマスクがつけられない」という状態は、厚労省や各自治体によって認められているのです。
少し長いですが、厚労省のHPから引用しますね。

発達障害のある方については、触覚・嗅覚等の感覚過敏(*1)といった障害特性により、マスク等の着用が困難な状態にある場合があります。

WHOの「COVID-19に関連した地域社会の子どものためのマスク使用に関するアドバイス」(*2)においては、「発達上の障害や他の障害、またはマスク着用に支障をきたす可能性のある特定の健康状態をもつ子どもに対しては、マスクの使用を強制するべきではない」「フェイスシールドなどのマスク着用に代わる選択肢を与えるべき」としています。

また、WHO「Q&A:COVID-19に関連する子どもとマスク」(*3) の中の「発達上の障害のある子どもはマスクを着用すべきか?」という項目では、「発達上の障害、その他の障害、またはその他の特定の健康状態のあるあらゆる年齢の子どもにマスクを使用することは必須ではなく、子どもの親、保護者、教育者、医療提供者、またはそのいずれかによってケースバイケースで評価されるべきである。 いずれの場合でも、マスクを容認することが困難な重度の認知障害または呼吸障害のある子どもは、マスクを着用する必要はない。」とされています。

発達上の障害に係るマスク着用の困難性には感覚過敏の特性によるものが含まれ、子どものみならず、成人に至っても継続する場合も想定されます。
また、フェイスシールドなどのマスク着用に代わる方法についても、重度の知的障害など障害特性によっては困難な場合があります。

こうした障害特性により、マスク等の着用が困難な方に対する国民の皆様のご理解をお願いいたします。

(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14297.htmlより
引用)

マスク等の着用が困難な状態にある方への理解について

同じような呼びかけは、各自治体のHPにも載っています。

とはいえ…、お子さんがマスクをつけられないのは、やっぱり不安ですよね。

お子さん自身が、感染リスクにさらされる
周りの人は、(たとえ事情を理解していたとしても)気にするかもしれない

アレルギーのことを考えても、マスクは、つけられないよりはつけられた方が便利なことは確かです。

感覚過敏でもマスクがつけられるようになるための方法5つ

マスクがつけられるようになって欲しい。
少しでもつけていられる時間を延ばしたい。

そんな方のために、たとえばこんな方法があります。

1.におい対策をする

感覚過敏でマスクが苦手、という方の中には、触覚だけでなく嗅覚も過敏な方がいます。
マスクをすることで自分の息や口のニオイをダイレクトに感じてしまい、それが耐えられないというパターンです。

・マスクをつけているあいだは、
ガムやアメを口に入れておく
・マスク用のスプレーを使ってみる
・家の洗濯機で洗って、
嗅ぎなれている匂いにする

ということを、試してみましょう。

2.感覚過敏の中でも、「許せる感覚」からアプローチする

お子さんによって、「絶対イヤ!」な感覚はさまざま。
こちらの記事にも詳しく書きました。

お子さんの中で、「イヤだけどまだ許せる」という感覚や部位があれば、そこが糸口になるかもしれません。

ゴムひも

耳周りに過敏さがある場合、太めのゴムひもを使ったマスクで耳周りへの圧力を減らしてみましょう。
もしくは、ガーゼマスクのような細いゴムひものほうが受け入れやすいお子さんもいるかと思います。

布地の素材

ウレタンや不織布、綿、ガーゼなど、マスクの素材はいろいろ。
お子さんの好きな感覚に近いものを探しましょう。

形状

立体的なマスクなら、口まわりの過敏さがあっても大丈夫かもしれません。

または、暖かさやフィット感があったほうが安心してつけていられる子もいるでしょう。

逆に、冷感マスクなら…なんて子もいるかな。

3.マスクをつけていられる時間を伸ばす

ずっとではなく、まずは30秒でも1分でもつけていられるようにする。
お子さんによっては、「3秒」でも大きな一歩になることもあるでしょう。

タイマーをかける

視覚的な見通しがもてると、がんばれることがあります。
タイマーを使ってみてください。
LITALICOの無料アプリ「ねずみタイマー」は、残り時間が直感的にわかるので便利です。

ねずみタイマー
時間の長さが見えるタイマー

ねずみさんがりんごを食べている様子を見ていると、気が紛れるかもしれません。
手元にタイマーがないときは、おうちの方が指を使って5秒、10秒などカウントしてあげるといいでしょう。

好きな活動とセットで

好きな動画や本、遊びなど、熱中できる活動のときに、ちょっとだけマスクをつけさせてみましょう。
やりすぎると、その活動自体が嫌いになってしまう恐れもあるので、あくまですこーしずつです。

4.「つけている姿がかっこいい」と、お子さんに刷り込む

マスクをつけるのをやみくもに強制されるだけでは、お子さんにとって苦痛でしかありません。
マスクをつけている姿=かっこいい、かわいい
と、納得できるように仕向けてみましょう。

好きな柄を選ぶ

ハンドメイドが得意な方は、お子さんの好きな色や柄で布マスクを作るのも良いですね。

好きなキャラクターや好きな色のマスクを選ぶだけでも、モチベーションアップします。

写真に撮って、ハナマルをつけて壁に貼っておく

数秒でもつけていられたら、その姿を写真に撮りましょう
プリントアウトし、大きなはなまるをそばに描いて、目立つところに貼っておきます

「◯◯(キャラクター)みたいだね」とほめる

ヒーローものなど、憧れのキャラクターがいるお子さんに有効です。
画像編集が得意な方は、
お子さんの好きなキャラクター画像にマスクを合成する
というのも良いかと思います。

5.マスクをつける理由をわかりやすく伝える

納得しないと動けない、というお子さんもいますね。
そんなお子さんには、

・マスクをつけることで
どんなメリットがあるのか
・つけないとどうなるのか

を伝えてあげると良いです。
お子さん向けの動画があると良かったのですが、見つかりませんでした。
これは比較的わかりやすいかもしれません。

それでもマスクがつけられない!そんな時の逃げ道5つ

どんなに手立てを講じても、マスクをつけられない場合もあります。

お子さんの感覚過敏がとても強い場合
発達段階上、まだマスクをつけることが難しい場合

こんなときは、仕方ありません。
無理強いして親子ともにストレスをためるより、別の道はないかを考えましょう

1.つけられないことを周りの人に伝える

・どうしてもマスクをつけるのが難しい
・その理由

この2点を、周りの人に分かりやすく伝えていく。
まずは、理解してもらうことが大事です。

バッジ・シール

こんなバッジがあるのをご存知ですか?
「感覚過敏研究所 マスクがつけられません」

感覚過敏でマスクがつけられないことが、ひと目でわかります。
これは感覚過敏研究所というところが作っています。
バッジやシールの販売もしています。
カードなら無料でダウンロードできます。

感覚過敏の情報発信や商品企画、コミュニティー運営をしながら、テクノロジーでの解決を目指す研究所です。
感覚過敏研究所 -

感覚過敏研究所は、加藤路瑛さんという高校1年生(2022年3月現在)が設立しました。
感覚過敏の方の声がたくさん載っていますので、ぜひのぞいてみてください。

・今はまだつけられないけれど、
がんばって練習していることを理解してほしい
・練習中なので、時々鼻が出てしまうなど、
正しくはつけられない

という場合は、こちらがおすすめです。

マスクれんしゅうチュウ

マスクがつけられない子どもたちを、笑顔にしたい - クラウドファンディング READYFOR
マスクがつけられない子どもたちを、笑顔にしたい。障害児・障害者に『 マスクできないゾウ 』の意志表示カード及びバッジを無料配布したい。 - クラウドファンディング READYFOR

「練習中です」と伝えることで、努力が伝わるかもしれません。

2.久しぶりに人と会うときは、事前に許可をとる

お友達と久々に会う。
お子さんがマスクできないことを、相手は知らないかもしれません。
会ってから

えっ…マスクしてないの?

というのはお互い気まずいですよね。

事前に

うちの子、まだマスクつけられないんだけど、
会っても大丈夫かな?

と聞いておくと良いです。

3.お出かけの時は、行く先のマスク着用ルールを確認しておく

遊びに行く先の施設がマスク必須の場合
せっかく行っても入場できない…
などということが起こります。

入口が目の前なのに

マスクしてないと入れないんだって。
仕方がない、帰ろう

そんなこと、お子さんは受け入れてくれないかもしれません。
そうならないように、その施設のマスク着用ルールを確認しておきましょう。
HP上で特に記載がない場合は電話で確認をおすすめします。
施設によって、
・乳幼児や障害のあるお子さんは
マスクをつけなくてもOK

というところもあれば、
・どんな方でも、必ずつけてください
というところもあります。
特に食べ物を扱う施設はそのあたり厳しいです。
障害のある方でも

・マスク着用は必須
・鼻までしっかり着用

なんていう施設もありますので、要チェックです。

4.園や学校には、原因と対処法をセットで伝える

これから入園・入学されるにあたり、
「マスクがつけられない」と伝える場面があるかと思います。
そんな時には、

感覚の過敏さがあって、マスクがつけられません

と、原因をしっかり伝えましょう。
また、「つけられません。以上!」ではなく、

今はこういう練習をしています

とか、

少しでも体調が悪いときには欠席します

フェイスシールドなら、
少しの間はつけられます

など、代替案や対処法も伝えることが大事です。

5.代わりの感染防止対策をしっかり行う

マスクがつけられないのは仕方のないこと。
でも、それはやっぱり不安ですよね。
そんな時は、代わりに何ができるか考えましょう。

フェイスシールド

こちらのほうがつけ心地が悪いのではと思ってしまいがちですが、
意外とフェイスシールドならつけられるというお子さんもいます。
試す価値はあるでしょう。
こんなかわいいフェイスシールドも!

せんすマスク

こちらは、感覚過敏研究所の商品。

マスクがつけられない人のための意思表示マーク・カード - 感覚過敏研究所
感覚過敏でマスクの着用が難しい人のために、マスクがつけられない事情を可視化し、周囲に伝えることのできる意思表示

肌に直接触れないので、過敏さが気になる方でも使いやすいです。
もちろん感染予防効果はマスクに叶いませんが、飛沫が直接飛んでしまうことは防げます。

まとめ 「マスクがつけられない」は、わがままじゃない!

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
おさらいしてみましょう。

マスクがつけられない理由
・感覚過敏とは、日常生活に支障をきたしてしまうくらい、
刺激に対し敏感であるということ。
・「やる気」や「我慢強さ」そして「親のしつけ」は、
まったく関係なし!

「マスクがつけられない」は、実は公的に認められている
・実は「感覚過敏のためにマスクがつけられない」という状態は、
厚労省や各自治体によって認められている
・とはいえ、つけられないよりは、つけられたほうがなにかと安心

感覚過敏でもマスクがつけられるようになるための方法5つ
1.におい対策をする
2.感覚過敏の中でも、「許せる感覚」からアプローチする
3.マスクをつけていられる時間を伸ばす
4.「つけている姿がかっこいい」と、お子さんに刷り込む
5.マスクをつける理由をわかりやすく伝える

それでもマスクがつけられない!そんな時の逃げ道5つ
1.つけられないことを周りの人に伝える
2.久しぶりに人と会うときなどは、事前に許可をとる
3.お出かけの時は、行く先のマスク着用ルールを確認しておく
4.園や学校には、原因と対処法をセットで伝える
5.代わりの感染防止対策をしっかり行い、アピールする

マスクが必要な世の中は、まだしばらくは続きそうです。
感覚過敏のお子さんやおうちの方がイヤな思いをする場面もあるかもしれません。
冒頭にも書きましたが、

たま
たま

さすがに
このお子さんにとっては、
マスクは過酷すぎるかな…

と思うようなお子さんが、少しずつ少しずつ慣れていき、いつの間にかつけられるようになった

という姿も、たくさん見てきましたよ!

まずは、

気長に
あきらめず
くじけても良いので、また挑戦
ということを心がけながら、一緒にがんばっていきましょう。
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